会長挨拶

第37回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会
会長 奥山 隆平(信州大学医学部皮膚科学教室)

この度、令和3年(2021年)7月9日(金)〜10日(土)に、第37回日本皮膚悪性腫瘍学会学術大会を開催させて頂くこととなりました。テーマは、「One Teamで拓く皮膚癌診療の新世界」としました。

皮膚悪性腫瘍の診療現場では現在、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬等々の新規治療薬が使えるようになりました。皮膚悪性腫瘍の診療の分野では長足の進歩が遂げられてきましたが、京都大学の本庶佑博士のPD-1の発見と機能解析、そして世界に先駆けて2014年7月に抗PD-1抗体製剤が日本で治療薬として認可されたことなど、この分野での日本人の果たしてきた役割は世界的にも評価されるべきものと思います。

一方で、従来から治療の根幹となってきた手術療法等の重要性が低くなった訳では決してありません。また、正しい診断が的確な診療のスタートであることは申すまでもありませんが、病理組織診断学の奥深さは変わらないように思います。何よりも、新規の治療法でも解決できない場合が少なくないことは、皮膚悪性腫瘍の診療のさらなる進歩が重要であることを物語っています。皮膚悪性腫瘍の診療を充実させ、患者さんの元にその成果を還元するためには、皆が今まで以上に力を合わせ「All Japan」で診療に当たることが必要不可欠と感じております。

特別講演では、がん研究所所長の野田哲生先生にがんの個別化医療の開発に関して、また国立がんセンター東病院院長の大津敦先生にビックデータの活用を含めた抗がん剤の臨床開発について、御講演を賜ります。基礎医学、臨床医学の垣根を越えて幅広く、大所高所から最新のお話を伺うことができるのではないかと思います。他にも幅広いテーマで討議いただけるよう努めました。

自然豊かな初夏の松本で学会を開催できたらと思いますが、昨今の新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえると予断を許さない状況です。新型コロナウイルスの診療が大切であることは言うまでもありませんが、私たちの前には皮膚悪性腫瘍の診療のさらなる発展を待っている多くの患者さん方がいらっしゃいます。この学術大会で皆様の日々の診療のエッセンスを発信いただくとともに、活発に意見交換いただくことで、その成果を患者さん方にフィードバックする機会になればと切に願っております。

教室員一同、皆様のご参加を心よりお待ち致しております。