現在薄毛に悩んでいて、運動を取り入れて治せないのかと考えている方も多いと思います。
ランニング単体で薄毛は治りませんが、育毛にはメリットがあります。
ランニングを習慣化できれば、育毛サポートにつながる可能性は十分にあるでしょう。
この記事では、ランニングと薄毛の関係、ランニングを継続するコツについて解説します。
ランニングで薄毛が治ったという説は本当?
ランニングで薄毛を治療できるわけではなく、「得られる健康効果が頭皮環境に良い影響を与えてくれる」という考え方が正しいです。
ランニングは有酸素運動のカテゴリに入り、血行改善や新陳代謝のアップ・メンタルケアなどのメリットが重なることで、育毛に影響を与えます。
薄毛予防や育毛サポートにつながるというイメージです。
薄毛といっても原因はさまざまですが、進行性の脱毛症であるAGAだった場合は注意が必要です。
日本人男性におけるAGA発症率は高いので、薄毛が気になってきた時点でAGAを疑ってください。
AGAは生え際や頭頂部に現れやすい特徴があります。
自力で治ることはなく、民間療法でも不可能であり、投薬による治療が一般的です。
もちろんランニングでは治りません。
まずは医師による無料カウンセリングを受けることをおすすめしますが、無料とはいえなかなかハードルが高いですよね。
そんな方に向けて、AGAセルフ診断テスト【チェックするだけで簡単】を用意しました。
自分はAGAなのか、その判断にお役立てください。
有酸素運動の育毛におけるメリット
有酸素運動の育毛におけるメリットは、以下のとおりです。
1.栄養が頭皮に行き渡りやすくなる
有酸素運動によって血流が改善され、栄養が頭皮に行き渡りやすくなります。
毛髪は頭皮に張り巡らされている毛細血管を通じて、栄養や酸素を供給し、毛母細胞を活発にします。
有酸素運動は、毛細血管に血液を送るサポート役を担うのです。
2.脱毛ホルモンを体外に排出する
適度な有酸素運動で汗をかくと、AGAの原因となる脱毛ホルモンのジヒドロテストステロンが、汗や尿によって排出されます。

つまりランニングを継続することで、デトックス効果が期待できるのです。
水分を増やすことで尿からの排出量が増加するため、運動時には十分に水分を取りましょう。
ちなみに、AGAは放置しても薄毛の進行が止まることはありません。
AGAは早期治療するほど効果が高いと言われているので、まずはAGAのリスクがあるか判定してみしましょう。
3.新陳代謝がよくなる
有酸素運動によって新陳代謝が良くなることも、メリットの1つです。
新陳代謝が上がると、食べ物から吸収した栄養が消費されやすくなり、毛髪にも栄養が行き渡りやすくなります。
その結果、ヘアサイクルが正常に働き、髪が伸びやすくなります。
4.メンタルが整う
有酸素運動を行うと、メンタルが整いやすくなります。
幸せホルモンとも言われるセロトニンが分泌され、ストレスを軽減してくれるからです。
分泌されたセロトニンが多いほど、幸福感を感じやすくなり、ストレスを和らげてくれます。
定期的な有酸素運動は、ストレス対策にとっても最適な手段なのです。
さらに、自律神経の影響によるホルモンバランスの乱れを整える効果も期待できます。
これによりテストステロンが抑えられ、AGAの原因となるジヒドロテストステロンの生成の抑制にもつながるでしょう。
国が推奨している運動量の目安とは?
運動が大事といっても、「毎日どれくらい運動すればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
厚生労働省のデータを参考にすると、成人男性の運動対策の例として、以下が提起されています。
-成人に対する個人目標(例)-
○日頃から「散歩」「早く歩く」「乗り物やエレベータを使わずに歩くようにする」など意識的に身体を動かしましょう
○1日平均1万歩以上歩くことを目標に
○週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動を習慣に
○最初の運動としてはまずウォーキングから
一見大変そうに感じますが、この運動時間を守るのは決して難しくはありません。
下記のように少し意識するだけで、日常生活の中で簡単に達成できます。
- 通勤の際に一駅先だけ徒歩にする
- ショッピング中に歩く
- 近くの公園を散歩する
さらに歩く速さや歩幅を増やせれば、代謝が向上して頭皮環境の改善が期待できます。
ランニングとセットでやるべき薄毛対策
抜け毛が増える理由は1つではなく、
- AGA
- 血行障害
- 頭皮の汚れ
- 頭皮の肌荒れ
などから起こっています。
そのため、ランニングにプラスして以下のような薄毛対策が必要です。
- ヘアケアを見直す
- 生活習慣を整える
- ストレス性の薄毛を予防する
それぞれの項目について説明していきます。
ヘアケアを見直す
最も大切なのは、毛髪が育ちやすい環境を維持することです。
これは育毛の基本です。
畑に例えるなら、「土を丁寧に耕し、良い肥料やきれいな水を与えて、野菜が育つ」のを待つのと同じです。
毛髪の場合、頭皮環境が「土や肥料」で、髪の毛が「野菜や苗」になります。
ヘアケアの見直しは、その畑を耕して土台を整えるプロセスにあたります。
上記のポイントをおさえておけば、十分な対策が可能です。
生活習慣を整える
適切な生活習慣作りは、薄毛対策において有効です。
偏食やアルコール依存などの生活習慣が、育毛に悪影響を与えるからです。
下記は、生活習慣を正した場合の育毛におけるメリットの数々です。

特に、栄養バランスのとれた食生活は「髪の材料集め」になるため欠かせません。
たんぱく質を中心に、亜鉛、アミノ酸を摂るようにしましょう。
また、良質な睡眠も育毛において重要です。
睡眠中に脳の視床下部から、成長ホルモンが分泌されるからです。
寝具を買い直したり、一定の時間に就寝できるように調整したりして、気持ちよく寝床に付けるように睡眠習慣を見直してみましょう。
ストレス性の薄毛を予防する
急性ストレスは、円形脱毛症となる要因の1つです。

急激に強いストレスを受け続けると、毛細血管に絡まっている神経が収縮し、毛根から離れるからです。
さらに、一度離れた血管は、ストレス反応が減っても戻りません。
つまり、予備タンクの毛乳頭に蓄えていた栄養が切れると、血管が毛根から離れているため、栄養失調を起こして髪が生えなくなるのです。
脱毛時は、ストレス発生からすぐに脱毛するわけではなく、予備タンク内の栄養が切れてから時間差で抜けるため、気が付きにくいのが厄介な点です。
このような急な抜け毛を起こさないためにも、環境的ストレスを感じているなら事前に対処しておくのが良いでしょう。
慢性ストレス性の脱毛症にも注意!
慢性ストレス性の脱毛症は、日常生活の中でのストレスが増えると起こり得ます。
ストレスからの緊張状態が続き、毛細血管が収縮して血行不良を起こしている状態です。
人に例えるなら、慢性的な栄養失調のような状態に近いです。
その結果、毛根への栄養供給が途絶えると脱毛が始まります。
いずれもストレスによる血行障害のため、運動でセロトニンを分泌させたり、ストレス要因から離れるなどの対処が必要になるでしょう。
ランニングを行う場合の注意点
薄毛を改善したい方がランニングを行う場合、注意点が3つあります。
順番に見ていきましょう。
日焼けしないようにする
日中のランニングは、紫外線を浴びすぎて頭皮に悪影響を及ぼすため要注意です。
頭皮は紫外線により、強い刺激を受けやすいからです。

皮膚にはバリア機能が備わっており、表面に潤いを与えることで肌を守る役割があります。
しかし、紫外線等の外部刺激を強く受けることで、潤いを保てない乾燥肌になります。
そのためバリア機能を失い、頭皮のダメージが蓄積してしまうのです。
頭皮に限らず、髪の表面も日焼けします。
日焼けすると髪の表面にあるキューティクルを破壊したり、アミノ酸を酸化させたりして、薄毛リスクを高めるため注意が必要です。
参照元:頭皮は顔の2倍以上の紫外線を浴びている!|PR TIMES
ランニング後の洗髪に注意する
昼間に運動して汗をかくと、シャワーを浴びる方が多いのではないでしょうか。
シャンプーで丁寧に洗髪する方もいると思います。
しかし、1日2回以上のシャンプーは、頭皮のバリア機能を洗い落としかねません。
したがって、朝のランニング後は湯シャンで済ませ、夜の入浴時のみシャンプーで洗髪するのが良いでしょう。
シャワーが難しい場合は、タオルで汗を吸収するだけでも、頭皮のベタつきによる薄毛のリスクを減らせます。
汗の放置だけはしないようにしましょう。
女性はヘアスタイルに気を付ける
運動中に髪を結ぶ女性は少なくありません。
しかし、ポニーテールのように髪を後ろに強く束ねるヘアスタイルは、「牽引性脱毛症」を招く恐れがあります。
牽引性脱毛症とは、文字通り髪を強く引っ張ることで起こる脱毛症です。

薄毛対策のためのランニングがむしろ逆効果にならないよう、髪を緩めに束ねた方が安全です。
ランニングを習慣化するコツ
有酸素運動が薄毛にメリットがあるとわかっていても、時間の制約や仕事の疲労が原因で運動が難しいこともあるでしょう。
そんなときは、ランニングを習慣化する5つのコツを実践してみましょう。

それぞれの項目について説明します。
誰かと一緒にランニングする
1人でランニングしても三日坊主で続かない方は、家族か友人と一緒にランニングするようにしましょう。
誰かと約束しておくことで、強制力が生まれるからです。
人間は、誰かによく見られたいという承認欲が強いため、悪い印象を抱かれたくありません。
この心理をうまく利用することで、ランニングが続けやすくなります。
相手に宣言しておく「プレコミットメント」を行うことも効果的です。
プレコミットメントとは、未来の強い欲求に襲われることを想定して、自らを拘束する行為を指します。
これにより、家族や友人の視線がプレッシャーとなり、三日坊主を防げます。
短めの運動スケジュールを組む
仕事が残業続きで時間がない方は、短い運動スケジュールを組みましょう。
1日15分〜30分程度なら、無理なくスケジュールを組めます。
残業コースと定時上がりコースの運動プランを考えておくと、時間を圧迫せずに済みます。
習慣強度が上がってきたと同時に運動時間を徐々に増やしていければ、無理なく運動を続けられます。
ウォーキングから始める
仕事で疲労困憊になりやすい方は、ウォーキングがおすすめです。
同じ有酸素運動のメリットを享受できるうえに、肉体的な負担はほとんどありません。
ランニングよりも負担が少ない分習慣化もしやすいため、ウォーキングから始めるのが良いでしょう。
筆者は散歩が趣味ですが、ウォーキングにはリラックス効果も実感しています。おすすめですよ。
ランニング後は簡単なヘアケアで済ませる
ランニングのたびにシャンプーで丁寧に洗っている方は、日々のヘアケアが面倒になり、止めてしまうこともあるでしょう。
軽く湯シャンで済ませたり、夜の入浴時間に近いタイミングで運動したりするなど、ヘアケアしやすい仕組み作りも大切です。
ただ汗の放置は、頭皮のベタつきやフケ、雑菌の感染リスクを増やすため、なんらかのケアは必ず行いましょう。
ノートか運動アプリに記録する
ランニングの記録をノートかアプリに書き記しておき、モチベーションを保ちましょう。
運動の継続日数や体の変化など、ポジティブな記録を残しておけば、自己肯定感が上がります。
サボってしまった原因を書き残して改善していくことも、ランニングの習慣化に役立ちます。
ランニングをより長く継続させるには
ランニングをより長く継続させるには、ポジティブな効果を実感することです。
下記のランニングを継続できるコツを参考にして、ランニングを続けていきましょう。
目標を明確にする

「駅付近の公園で週3回、30分のランニングを行う」など具体的な目標を設定し、達成しやすいプランを立てましょう。
目標を達成した先の姿も思い描くと、モチベーションが上がります。
未来への動機が明確であるほど、ランニングが続けやすくなります。
バランスの取れた栄養摂取
髪の健康に必要な栄養素(タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、鉄など)を摂取しなければ、ランニングを続けるメリットがなくなります。
有酸素運動のメリットを、身体の健康や育毛において実感するためにも、栄養摂取を欠かさないようにしましょう。
正しいフォームで走る
正しいフォームで走るべき理由は、「ケガをしないため」です。
習慣化に成功したとしても、ランニングフォームを守れていないと、体の不調を感じることがあるかもしれません。
怪我を防止するためにも、下記の兆候に気を付けるようにしましょう。
体の不調 | 原因 |
---|---|
首や肩の痛み | うつむきがちになり、肩が前に出ている |
強烈な疲労感と痛み | 一部の筋肉が強く働いている |
過度の息切れ | 胸を張っていないため空気がうまく流れていない |
モチベーションを維持する
目標を細かく分割し、小さな目標でも達成感を感じることで、モチベーション維持につながります。
この手法を「スモールステップ」と言います。

先述したランニングアプリでの管理や仲間と一緒に走るなど、楽しく続けられる取り組み作りも有効です。
定期的に見直す
運動プランや進捗を定期的に見直し、必要に応じて調整していきましょう。
成果が得られることで、継続するモチベーションを保てます。
特に「行動のモノサシ」を具体的に測定することがポイントです。
例えば、「月15日間、新宿中央公園にて1日30分のランニングをしたところ、-2㎏痩せられた」のような成功事例ができたとします。
そうすると、翌月も同じ成功事例を再現できれば、同じ結果が出せることがわかります。
逆に「なんとなく走って、痩せた気がする」では、成果が期待できません。
実績ベースでモノサシを測定して、定期的に見直すことが大切です。
時間の関係でランニングが無理そうな場合
「ランニングしようと決意したものの、時間が確保できなさそう」と感じた方は、別の負担が少ない運動に挑戦してみましょう。
以下の運動方法なら、無理なく続けられます。
- 通勤を徒歩にする
- 坂道の散歩コースを見つける
一つずつ詳しく解説していきます。
通勤を徒歩にする
ウォーキングは、日常生活の中で自然に溶け込めるようにできれば、ルーティン化が簡単です。
以下のように、普段の移動ルートに運動ルーティンを加えられないか、検証してみましょう。
- 会社が近いなら電車に乗らない
- 一駅先だけ歩く
- 会社内は階段で移動する など
坂道の散歩コースを見つける
体の中で筋肉の種類が多いのは下半身です。
下半身を鍛えることで、血行が改善されて薄毛予防が期待できます。
坂道の散歩コースを発見できれば、ランニングなしでも有酸素運動の強度が上げられます。
もし通勤中に坂道があれば、うまく運動に活かしましょう。
有酸素運動のやりすぎはNG?
有酸素運動がストレス軽減や血行改善に良いからといって、 過度に運動することは好ましくありません。
激しい運動は活性酸素を体内に増やし、毛細血管を老化させて毛根の酸化を引き起こすからです。

その結果、毛母細胞の働きが弱まり、髪の成長にも悪影響を及ぼすため注意が必要です。
ストレス発散のためにセロトニンを分泌させたい方は、2〜3日に一度のペースでも十分です。
髪の成長にメリットがあるからといって、肉体を酷使しないようペース配分に気を付けましょう。
ランニングと薄毛に関するよくある質問【FAQ】
- Q筋トレは薄毛に効果がありますか?
- A
筋トレを行うと、トレーニングで傷ついたときの筋繊維を回復するために、たんぱく質を材料として消費します。
激しい筋トレは活性酸素を増やしてしまい、細胞や頭皮を酸化させる恐れも考えられるでしょう。
ですが筋トレには、血行改善につながるというメリットがあります。
血行改善により、毛細血管から毛母細胞に酸素や栄養を供給してくれるのです。
筋トレは育毛において一長一短があるため、効果的とはいいにくいのが現状です。
- Q薄毛予防を期待できる有酸素運動を教えてください
- A
薄毛予防を期待できる有酸素運動には、「ジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクス、ダンス、縄跳び」などがあります。
- Q運動だけで薄毛は治りますか?
- A
いいえ、運動だけでは薄毛は治りません。
下記のように、抜け毛が増えている状態は理由がさまざまです。
- ヘアケアのミスによる皮下組織の損傷
- ストレスによる血行障害
- 薬害による脱毛
- 頭皮の汚れ
- 頭皮の肌荒れ など
薄毛といっても原因が一つとは限りません。
そのため、あくまで運動は血行改善やストレス対策であり、運動だけで薄毛が治る可能性は低いといえます。
特に厄介なのはAGAです。
AGAは早期発見&治療が成功のカギになるので、まずはAGAリスクがあるかだけでも特定することが大切です↓